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格差社会が問題化してはいるが、小じっかりの景況感。我が国は豊かさを維持しているとアナリストがいう。本当だろうか?上辺だけの幸福感が浮遊している。こんな情況と波長のあった恋歌を語る吟遊詩人を発見した。この節まれな心許無い陰気な歌声。まるで恐山の“いたこ”の口寄せを思わせる。それが久ぼたなお子。
訥々とした語り口調。それだけに言霊の存在を感じさせる。情報の洪水の中で、風化して行く真実を抱きかかえて、立ち竦んでいるようにもみえる。今日ではない、たぶん明日でもない隙間に彼女は漂流しているのだろう。そこから何かを発信してくれるに違いない。ボクはそれをじっと待つことにしたい。
ディレクションにあたり、彼女の声の個性を損なわず定着させようと考え、音楽的には冒険のないシンプルなアレンジにした。 |
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大阪音楽コンテンツ創造事業実行委員会 企画委員長(作詞家) |
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「歌は自由へのビザ」と言った人がいる。世界的に有名な現代音楽の作曲家・武満徹さんと記憶する。ビートルズが好きで、井上陽水らとも親交のあった人。ビザ=入国査証とは言いえて妙。インディーズ全盛の今、久ぼたなお子も自分の世界の表現者としてビザを得、帆かけ舟の帆を張ったばかり。大海原を駆け抜けられるか!興味のある一枚だ。
久ぼたは日本のJポップの源流、大阪生まれの作曲家・服部良一を信奉する在阪の作詞家のもず唱平さんが提唱するザ・ストリートミュージシャングランプリ06年大会の優勝者である。今様に言えば“ふしぎ系”。まず声が耳に残る。何かを持ち合わせている証しだろう。「京の梅雨」で失恋を歌い、「やさしいひと」では男への独り善がりな思い込み、「今日も夢ん中」では恋心を伝えられないもどかしい女を演じている。今時、こんな純情な女がいるのかと思わせる。
せわしい世の中“時間よ止まれ”的ムーディーな歌を受け入れる土壌を試すにはいい。 |
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大阪音楽コンテンツ創造事業実行委員会 企画委員(音楽評論家) |
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